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番茶~日本人のソウル飲料~(2/12)「番茶とは」

  • 執筆者の写真: s.kazuki
    s.kazuki
  • 2021年11月7日
  • 読了時間: 2分

〇1章 番茶の力

番茶とは

 


 そもそも、番茶とは何を指すのか。実はこの定義は地方によっても違うため大変難しい。例えば、主に東北や北海道などではほうじ茶のことを番茶と呼んでいる。

 本稿での番茶とは、「未熟な軟らかい新芽で作る新茶などと違い、熟した硬い葉で作る日常用の茶(親子番茶は一部軟らかい芽が混じる)。」とする。また、これを焙じたものを番茶と区別するためにほうじ番茶と呼ぶこととする。

主に番茶の特徴は、


1.軽くて飲みやすい(身体への負担が少ない)

2.カテキン含有量が多い

3.硝酸塩濃度が低い(糖尿病予防に期待)

4.煎茶に比べて求めやすい価格

が挙げられる。


煎茶と番茶は大まかにこんな違いがある。

煎茶・玉露

番茶

啜るように飲む茶

ガブガブ飲む茶

値段が高くて重たい飲み口

値段が安くて軽い飲み口

よそ行きの茶(貴族の茶)

普段使いの茶(庶民の茶)

商品性の強い茶

飲用のための茶

近年のもの

何百年も前から親しんできたもの

未熟な軟らかい葉

熟した硬い葉

カフェインが多い

カフェインが少ない


 番茶は暮らしに根付いた気取らない普段使いの茶である。


 ここで念のため誤解されたくないのが、番茶を推すあまり煎茶を駆逐したいわけでは断じてない。祝宴やハレの席などでは、しっかりした煎茶などの方が好まれるだろう。あくまで、シーンや状況に合わせた選択をするべきであり、だからこそ普段の日常茶には番茶がよいという主張である。





 番茶はその摘採時期によって、主に春番茶、親子番茶、秋番茶の3種類に分ける。それぞれの特徴は次の通り。

番茶

時期

概要

春番茶

3月下旬頃~

​新茶の準備のために余分な枝などを刈り取る「整枝」を行った際に作られる茶。

厳冬を乗り越え、比較的味もしっかりして甘味も感じられる。


親子番茶

6月中旬頃~

​新茶の残った芽と熟成した硬い葉を一緒に刈って作った茶。 スッキリとまろやかで、比較的渋みが少ないものが多い。 地域によって、「刈下(かりした)」「夏番」「梅雨番」と呼んだりもする。

秋番茶

9~10月頃

​三番茶を摘まずに伸ばしておき、秋口に作られる茶。

味は淡白で渋味や深みが特徴でクセが少しある大人向けの茶。

「秋冬番茶」ということもある。

(番外編)

寒番茶

1月頃

​暦上の大寒過ぎに作られることから、寒番茶と呼ばれる。

茶葉をそのまま乾燥させていて、渋みが少なく、ほのかに感じる甘味とらかい飲み口が特徴。



 季節だけでもこれらの分類があり、ここから地方や製茶方法、品種などによってさらに個性が光っていく。

どこかに尖った特徴のあるものも多く、平均点ではなく自分にとって100点に近いマイ番茶を探せるところが番茶の面白さであり良さの一つだ。

 そんな番茶のメリットを中心に次回以降お話していく。





次回「番茶のメリット1」



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