番茶~日本人のソウル飲料~(8/12)「肥料の多投が茶や人体に与える影響3-品質について-」
- s.kazuki
- 2021年12月10日
- 読了時間: 3分
―品質について
ここ数十年、茶といえば「旨み」がもてはやされてきた。これにより香りが失われ、飲み口は重たく、えぐみが残り劣化が早くなる。
「旨み」とは主にアミノ酸のことを指す。アミノ酸が多数結合したものがタンパク質であり、タンパク質は劣化が早い。例えば、生肉をそのまま外に出しておくとすぐに腐ってしまうことはイメージしやすいだろう。
このように茶の中に旨み(アミノ酸)が豊富に含まれすぎていると茶葉の劣化が早くなってしまう。冷蔵庫での保管などが求められるのはこういったことが理由の一つであると考える。
無農薬や無肥料などの自然栽培で育てられた茶は、茶葉が健康で劣化も遅いため、長期保存がしやすくなる。
これによって、日本茶で「熟成」をさせることができる。
熟成されると製造年や熟成年月によって、香りに深みが出たり、角が取れたり、味が洗練されたり、新たな香りになったりもするというメリットがある。
日本茶以外の飲み物では特にワインなどヴィンテージがあるのに、日本茶ではそれがないのはなぜなのだろうかとずっと思ってきた。
日本茶のヴィンテージなんてものが出てくれば、消費者の選択肢が新たに増えてより面白くなるのにな...なんて思ったりする。
全然関係ないが、個人的な趣味で雅南で販売中の①滋賀県君ヶ畑の春番茶の2014年のものがある。機会があれば色々な人に飲んでもらいたいと思っている。
以上3回にわたって肥料のお話をしてきた。
肥料の多投によって旨みを効かせたお茶は香りが失せ、硝酸塩による健康被害の懸念が大いにあり、茶葉の劣化が早くなる原因にもなる。
そのため肥料は極力使用せず、使用しても最低限であることが望ましいのだ。
無農薬で肥料も最低限となれば、収穫量は慣行農法より当然少なくなる。これが煎茶だと高級品になってしまうが、番茶なら煎茶に比べて求めやすい価格にできる。そういった意味でも番茶は日常茶に相応しいと考える。
〈小話〉--------------------------------------
2009年のアメリカの科学雑誌『サイエンス』に、化学肥料が地球温暖化の原因だと書かれていた。
地球温暖化は大気中に大量に排出された二酸化炭素やメタンガス、フロンガスなどにより太陽からの熱の吸収が増えた結果、気温が上昇することだ。その最大の原因が化学肥料に含まれる亜酸化窒素ガスだとある。
化学肥料を畑に10㎏まいたとしても農作物が吸収するのはわずか1~1.5㎏。あとは雑草や土が2~3㎏吸収し、残りの5.5~7㎏は、気化して亜酸化窒素になり大気中に拡散する。これが温暖化のいちばんの原因のようだ。つまり温暖化の主な原因を作ったのが農業であるとも言える。
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次回「今の日本茶に思うこと」
ここからは特に若造の戯言だと思ってください。
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香りと飲みやすさにこだわった
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〈小話:茶殻や茶葉の利用法いろいろ〉--------------------------------------
飲んだ後の茶殻は捨てられることがほとんどだが、再利用することも可能だ。
例えば、茶殻や古くなった茶葉をお茶パックやティーバッグ、ストッキングなどに入れて浮かべるだけで「番茶風呂」ができる。
茶に含まれるカテキンやビタミンCには、紫外線やタバコ、ストレスなどで増加した肌の老化進行を鈍くしたり、肌へのダメージを和らげてシミやソバカスが出来るのを防ぐ。この他にも、アトピー性皮膚炎やニキビ、水虫などの改善に役立ち、汗や体のにおいを抑えるのにも効果がある。
さらに、肌のデリケートな赤ちゃんはあせもやおむつかぶれが出来やすいが、そんな時は、いつものお風呂を番茶風呂に変えてみたり、オムツ交換の時に薄めの茶を含ませたタオルやガーゼで拭いてあげたりするとよい。これは寝たきりの方のケアの場面でも喜ばれる。また、茶の香りにはリラックス効果もあり、ストレスを緩和させて気持ちを和らげる。
ただし、これをそのままにしておくと、バスタブが変色する可能性もあるので注意が必要だ。
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